清里高原の駅を降りると、まるでメルへンのような世界です。四季を通じて1年中自然豊かな清里は首都圏からのアクセスの良さも魅力です。電車で行く時に長野新幹線を利用する方法もあれば、特急のあずさを使っていく方法があります。清里⇔佐久平の区間はぶらり各駅停車の旅を楽しむローカル線の電車です。こんなのどかな田舎風景を首都圏から約3時間で楽しめるので、週末を使ったプチ旅行に人気の旅行地「清里」です。
旅の目的に「清里」を選ぶ時に、非現実的な感じが非日常に存分に浸れる魅力です。大人気の浦安テーマーパークは夢の国ですが、「清里」も普段の日常の生活空間とはまったく違った風景が広がっています。そして標高も約1200メートルぐらいに位置しているので、顔にふれる空気の温度も違ってきます。夏に訪れた時には、ひんやりした空気にぜんぜん違う~。と湿った空気とは違う、気持ちの良い温度にリラックス効果が加わります。
清里駅はかつてアンアンやノンノを愛読する若い女性が、こぞって訪れたリゾート地です。メルヘンに溢れた世界が清里駅の周辺にたくさんあり、女子の「かわいい」好き魂に火がつきました。「この建物かわいぃーー♪」「これ見て見て、かわいい~~♪」と駅周辺にある御土産屋さんで「かわいい、かわいい」を連呼しました。ファンシーなカラフルな色の建物で、ちょっとしたおとぎの国の世界が広がっていました。
なんといっても首都圏ではみることができない高原です。ハイジの声が聞こえてきそうです。「ねぇクララ~!ユキちゃんよ」と、都会のフランクフルトからやってきたクララに自然の素晴らしさを話すハイジの世界が、清里高原に広がっています。高原の風景を見る機会がないだけに、高原の風景と空気も澄んでいて夏でも過ごしやすい気候、冬には白い世界が広がる様子を見れば「清里はステキ~!」となります。
メルヘンの清里として瞬く間に清里がブームになった時は昭和50年代のことです。有名な濃いソフトクリームを食べるために、2時間待ちの列もあったとか?!そして清里は女性心をくすぐる場所でもありました。だからこそ、現代女性の「女子旅」のような感じで、女性2名旅や女性グループがこぞって清里を訪れました。OL友達や女子大学生が清里へ遊びに行き、お土産を買ってお友達に配ります。もらったお友達は「清里いいなぁ~!私も行ってみたい。」というように、雑誌でもばんばん清里特集が組まれるようになり女性が行く旅先として清里はとても盛り上がりました。
雑誌の影響もかなり強かったと思います。「アンノン族」と呼ばれるほど流行発信の雑誌が売れまくった時代背景もあります。ファッションだけではなく、話題を提供する形の雑誌ですがファッション以外にも恋愛や映画など女性にターゲットを絞ってのテーマということもあり、旅先のひとつとして清里が取り上げられて日本とは違う風景が広がる高原だったり、駅周辺の建物がメルヘンチックだったりして、かわいらしい高原の町ということでますます清里が取り上げられるようになりました。
女性グループだけの旅行ではなく、女性に「清里に行きたい」と連れられる形で、カップルもこぞって清里を訪れます。「ここの建物で写真とろー。かわいいよね~」という感じで、毎週末たくさんの観光客が首都圏から訪れて、宿泊する場所がなくなるほどの賑わいです。そこで登場したのが、民宿ではなくペンションです。民宿ではメルヘンになりません、カラフルなパステルの色で塗られた外壁に、眠るお部屋は畳に布団ではなくベットです。清里がペンションブームの先駆けかもしれません。
昭和50年代の清里ブームでは、メルヘン調の建物にはタレントショップが入っていたりとタレントショップもバブル期とあわせて、タレントショップも盛り上がり時代はバブルへいつしか突入すると同じように、清里もかなりのブームになります。昭和50年代から清里ブームが始まって次から次へと観光客が清里を訪れるにつれて宿泊施設のペンションも立っていきます。やがていつしかバブル時代が終了するのと足並みをそろえるように、駅周辺に入っていたタレントショップも段々とテナントから出て行き清里ブームも終了しました。
なんといっても四季それぞれに清里がみせる自然が最大の魅力です。高地に位置する清里は夏場は避暑地です。清里に春の訪れを感じるのは、カラマツの芽吹きからです。そして清里の春本番には、ヤマナシにコナシの花が溢れます。そして八ヶ岳や南アルプスそして富士山を見れば、山々はまだ雪が残っている絶景が楽しめます。麓には春が訪れて山には残雪風景、こんな時期に牧場巡りをすれば日本だということを忘れてしまうような風景です。
夏は八ヶ岳に山登りする時のベースとして清里から入ったり、緑あふれる中で自然の中を思いっきり散策したりトレッキングしてたくさん森林浴が楽しめます。濃い緑あふれる自然の中には、渓谷もあります。渓谷と自然がおりなす風景で、心身ともに癒されます。渓谷にはマイナスイオンもたくさんあると聞くので、パワースポットもたくさんありそうです。
清里の秋の光景はやはり紅葉です。そして高原ならではのお楽しみは、紅葉が2回も楽しめるということでしょう。広葉樹は10月の紅葉で、カラマツは11月です。そして山を見上げると山には初雪が降っている頃なので、黄色に輝くカラマツと雪景色の山の風景の見事な自然美を存分に楽しめます。そして森の中へ足を踏み入れると、落ち葉のクッションに思わず童心に返って遊んでしまいます。気がつけばドングリを拾うことに夢中になってしまってるかもしれません。
そして冬場になればやはり「雪」のシーズン到来ということで、スキーやスノボードといったウィンタースポーツです。スキーももちろんですがゆっくりと自然を思う存分満喫するのに、スノーシュートレッキングはどうでしょうか?!まっ白な世界の飢えをスノーシューをはいて、歩いていけば自分だけの足跡が残ります。そして雄大な自然を存分に時間をかけて満喫することができます。スノーシューは、雪の上を快適に歩くために開発された西洋式のかんじきです。これを装着するだけで、一気に行動範囲が広がり雪の上を歩けます。スノーシューで一気に行動範囲が増えれば、お気に入りのカメラを持って動物の観察や写真撮影などに出かけるという楽しみもあります。スノーシューを履いて清里の森の中を探索すれば、冬ならではの自然を沢山観察することができます。子供用もあるので、お子様と一緒に大自然の生き物観察や冬の楽しみをみつけに出かけましょう。
清里の原点はやはり「高原」です。えっ?!牧場があるの?と驚いてしまいそうですが、北海道に牧場があるイメージのほうが強いですが清里に「牧場」はあります。それどころか、清里高原の美しい自然の原点といえるのは清里にある牧場です。牧場に足を運ぶと、広い緑のじゅうたんが広がり牛や馬がのんびりと放牧されている様子は自然風景にすっかりと溶け込んでいます。
八ヶ岳南麓にある標高1100mから1200mの高原に広がっている「県立八ヶ岳牧場」は、日本でも歴史のある牧場です。馬の放牧場として始まったのが1926年なので、その歴史の古さに驚かれるかもしれません。「県立八ヶ岳牧場」の一部から開放されてつくられたのが「まきば公園」です。「まきば公園」も牧場のようにとっても緑が広がる牧場で、動物たちと触れ合えることができる公園です。公園周辺を散策するまきばウォークでは、公園公認のインストラクターから牧場公園にひろがっている大きな自然についての解説を聞きながら、散策を楽しむことができます。
季節によっては「山菜教室」や「きのこ教室」が開催されます。山菜教室の時には標高1500メートルの林で山菜を探します。山菜初心者でも大丈夫です。心強い先生が付いています。山菜教室では県森林総合研究所の先生がついて、山菜や薬草などについての知識を学ぶことができます。
「きのこ教室」では、まきば公園の周辺に広がっている通常では入ることができない雑木林に入って、キノコ探しです。雑木林でキノコ探しに熱中した後は、「このキノコは大丈夫かな?!」という森林総合研究所の先生からキノコ鑑定会が行われるので、採って来たキノコがどんなキノコなのか、安心して食べれるかどうかもしっかり見てもらいましょう。
牧場でのびのびと放牧されている馬などをみると、乗馬がしたくなるかもしれません。せっかく清里の雄大な自然あふれる場所にきたので、乗馬も楽しみましょう。馬に乗れば一気に視界が高くなり、高原を見る景色も変わってきます。もちろん初心者でも大丈夫です。乗馬の経験がまったくない未経験者や子供そして女性の方でも、乗馬することができます。
経験者ならば、もっと馬に乗って自然を満喫したいと思われるでしょう。経験者向けには遠乗りできる乗馬プランもあるので、経験者向けの乗馬プランをしている牧場に行きましょう。馬と触れ合う楽しい時間の過ごし方も清里の魅力です。
JR清里駅は標高1,274メートルという高さで、JRグループにある駅の中でも2番目に高い位置にあります。山梨県の中でも一番高い標高です。そんな高い標高にある清里なので、夜はぜひ空を眺めましょう。清里はスターウオッチングするには絶好の場所に位置しています。富士山や南アルプスといった3000メートル級の山々と、圧倒的な広がりを見せる場所でおまけに高い標高なので空気も澄んでいます。
灯りもすくないので、沢山の無限に広がる星を眺めるには絶好の場所です。一晩でも数え切れないほどの流れ星を観察することが出来るでしょう。手を伸ばせば星に手が届きそうな錯覚に陥るかもしれないほど、清里の夜空は見事な星空が広がっています。